代表理事 専務金田 富夫さん
営農経済部 部長河野 隆徳さん
行方市(なめがたし)は農産物の生産が盛んな場所で、茨城県内では一番の販売額を誇ります。なかでも「行方かんしょ」と呼ばれるさつまいもは年間約2万トンが生産されています。霞ヶ浦と北浦という二つの湖に挟まれているため土地そのものは狭いのですが、馬の背のように湖に向かって傾斜しているため水捌けがよく、このような地形でさつまいも栽培をしているところは他にはありません。
メロンの糖度は17〜18度くらいありますが、行方のさつまいもは熟成させることで糖度38度くらいになります。それほど甘いのです。おいしいか否かというのは、一度で判断されてしまいます。たまたま食べた1本がおいしくなければ、もうそこの産地からは買わないでしょう。ですから、作るだけ、箱に詰めて出荷するだけではなく、生産者、流通、JAが目線を揃えて、「消費者に届く、その1本のさつまいも」に情熱を注いでいます。
代表取締役橋本 茂さん
月と農業って実は密接な関係があることをご存知ですか?地球は自転していますが、磁場が形成されて、N極(プラス)とS極(マイナス)で成り立っています。そこに月の引力が働きます。満潮と干潮の潮位の差が大きくなる大潮は、月の引力の影響を受けたものです。つまり、潮の満ち引きと同じで植物にも流す力と引く力があり、そのタイミングを利用して植物に肥料を与えるのです。
満月のときは葉や茎に、新月のときは根に肥料を与える。そうすることで、野菜の生育や味が変わるのです。なめらかな食感が特長のシルクスイートという品種を全国に直送していますが、その度に『こんなにおいしいさつまいもは初めて食べました』という声をいただきます。収穫時期になるとリピートのお客さんから『早く送ってください』と催促の連絡をいただきますが、食べ頃を見計らってから出荷させていただいております。おいしいさつまいもは見た目で判断しにくいので、まず“行方産さつまいも”と産地を指定してほしいです。月のマークが描かれて“月見苑(つきみえん)”と書かれた箱のさつまいもは、うちのブランドなので間違いないです(笑)。